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Designer's Blog 2010

What a wonderful “Design” world!

リーマン・ショック!

2010.1.22

uneune.jpg 年明け早々急ぎの依頼があり、モデリングとレンダリングを行いながら、クロス(壁紙)を貼ったり、ハンドドリルでのビス止め作業に追われ…………右手が腱鞘炎気味の今日この頃。

 帰宅後はリモコンを片手に、チャンネルを変えながら、何となく見る程度のTVだが、正月休みはかなりの時間TVを観ていた。たまたま観たシリーズもののドキュメンタリーやドラマを観始めるとつい最後まで観てしまい、結局外へ出れなくなったりして、外出しない日もあったくらいだ。ハードディスクレコーダーに録画すればいつでも観れるのだが………そうすると意外に観ないんだなあ〜。

 先日の休日もTVをつけていたら、以前観たシリーズもののドラマの「ハゲタカ」が一挙に再放送されていた。真山仁氏による小説を元に、2007年にTV用として編集された連続ドラマだが、バブル崩壊後の日本を舞台にした海外の投資ファンドと銀行との対立、企業買収の手法や粉飾決算、インサイダー取引など、当時現実に起きた出来事を彷彿させる内容であり、計6時間の放送を全て観てしまった。あくまでもドラマだが、俳優の演技と配役も見事に決まっていて、何度も“じ〜ん”と来てしまう。

 新年会も始まっているが、やはり経済や金融ネタの話が多く(近々マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』も観るつもりだが)、とにかく世の中は「リーマン・ショック」後の景気やデフレスパイラルの話題でもちっきり。もちろん人ごとではないが、私は今ごろになってリーマンに目覚め始めた。だけど、う〜ん、本を読んでも数式ばかりで難しくて分からない。でも何となく、、、面白くなりそうだな。という程度だが、今後の自分にとって、リーマンは大きな存在になりそうだ。よって遅ればせながら今まさに「リーマン・ショック」。

 ちなみに私にとっての「リーマン・ショック」は、数学者ベルンハルト・リーマンの興味のことである。まだ分からないことばかりで、リーマンについて語る事はできないが、数学関係の本を読んでいるととても興味深い話を聞くことができる。黄金比、フィボナッチ級数、πなどの持つ不思議な現象と関連性には驚くことばかり。例えば連分数(分母に分数が含まれている分数)を解いていくと、黄金比になったり、「源流から河口まで、曲がりくねった川の長さと曲線の比を平均すると「π」の近似値になる」など。とにかく曲線というのは実に奥が深い。双曲線、放物線、対数螺旋、サイクロイド、アステロイド、リサージュ曲線、アーネシーの曲線、スプライン曲線、ベジエ曲線、そして一筆書きの曲線など多くあるが、次元を上げるとやはり曲面へと繋がって行く。そのリーマンの曲面にとても興味を持ったのである。

 インテリアデザインや建築では、空間という言葉は日常的に使われている。しかし数学の中での空間は、次元や位相を超えて存在している。「ハウスドルフ空間」や「タイヒミュラー空間」とは何だろうか?位相空間論と数学の世界の空間認識にとても刺激を受けている。

 そんなことを考えていると、「あのアバターの中に出て来た、手を触れると螺旋状に折り畳まれる植物のかたちはリーマン面かな?」とか思ったりしてしまう。何でもかんでも結びつけるのも………と思うけれど、ひも理論や結び目の幾何学もあるではないか!数学の世界の「〜予想」という難問は、まさに複雑にからまったひもを「切ることなく」解すようなものかもしれない。

 深海生物の写真集とYouTubeで見つけた「z^αのグラフ(リーマン面)-z^α graph- (riemann surface)」というCG動画を作った大学院生の映像を観たりして想像を膨らませながら、この寒い冬を乗り越えたいと思っている。