恋の予感
2010.3.31
下町の雑貨屋で見つけたあるキャラクターグッズが欲しくて、じっとしていられない今日この頃。
「技芸は永く、人生は短い」
医学、医療の父と言われる古代ギリシャの医者、ヒポクラテスの有名なこの言葉は、いつの時代も変わらず語り続けられると思う。
というのは、いまあることにとても興味があり、参考書を開く日々が続いているのだが、これらを理解するには今の自分には力が足りないことを痛感させられる。それでも“やってみたい”ので、鞄の中に参考書を入れて毎日持ち歩いている。この参考書は多くのイラストが使用されており、電車の中で堂々と見るには少し気が引ける内容だが、今まで経験したことのない高度な描画技術を要するものだけに、ヒポクラテスの言葉通り永く、そして短いことは確実!
そんなプレッシャーを少しでも和らげようと、帰路ツタヤに寄り、レンタルDVDの映画三昧。
先日観た医療ミステリーの「ジェネラルルージュの凱旋」は、多数の負傷者が救急搬入され、医師がトリアージを用いて生死の判断を行うシーンがとても印象に残った。ミッキー・ロークの「レスラー」は愛する者、守る者を失った一人の人間の激しい生き様が印象的だった。そして「ザ・バンク 堕ちた巨像」は、巨大銀行の裏取引の舞台に、話題の建築が多数登場し、建築好きにはたまらない映画だ。ベルリンの新駅舎、ミラノ駅前のジオ・ポンティ設計のピレリビル、ザハ・ハディットのファエノ サイエンスセンター、イスタンブールのブルーモスクなどが登場する。そして何といっても、フランク・ロイド・ライト設計のNYのグッゲンハイム美術館での銃撃戦は、訪れたことのある人にとってはとてもリアルで、「よく撮影したなあ〜」と感心する出来映えだった。今週も何本かDVDを借りてきたので、また楽しみだ。
講師をしている学校も今期は修了し、今は春休み。とにかく継続は力なりだから、卒業後も質問や連絡があるのはとても嬉しい。ちなみに先日の修了制作は、総勢25名のプレゼンボードが壁一面に貼られ、その中で選ばれた10数名が最終プレゼンテーションを行った。講師の方々から個々厳しい質問が投げかけられたが、皆堂々としていてとても気持ちが良かった。順位が発表された直後、惜しくも2位だった学生の流した涙は、言葉を超えて多くのことを伝えたと思う。
先日の日曜日は早稲田大学で行われた「知的財産シンポジウム」を聴講し、自分なりにとても想うことがあった。私自身も商標登録や意匠登録をしている作品があるので、デザインの義務と権利を今後どのように守り、活用し、還元して行くのかを考えるきっかけとなった。
以上のことからも、ここのところ確実に、今までとは違うモノ・コトに関しての興味が沸き、次第に大きくなっているのを感じる。それは自分自身のデザインへの考え方を大きく変えるものになるだろうが、臆せずに一歩一歩前に進んで行きたいと思う。その成果は秋に!
ちなみに冒頭のキャラクターグッズは、ブースカの大きな貯金箱。40年以上前のキャラクターだが今も多くのファンに愛されるキャラクターである。このブースカがあまりにかわいいので、ウィンドウ越しにじっと見つめていたら、「バラサ、バラサ」(ブースカ語で嬉しい時の言葉!)って、ブースカが言ったような気がした。それ以来こちらは「メロメロのトロロンチ〜」………まさに出会いの春!下町のブースカに恋をしたようだ………。
(4月初めは、新宿パークタワーオゾンで行われる「fun, fun, fun & fan」・「+Pプロジェクト」をよろしくお願いいたします)