BiNDweb

Designer's Blog  2008

What a wonderful “Design” world!

BIM
2008.11.25

ピクチャ 7.png 寝る前に布団に入りながら、iPhoneのYouTube映像(吉田類の酒場放浪記や崖っぷちのエガ)を見ると思わず止まらなくなり、寝不足気味の今日この頃。

 大規模な建築の3Dモデリングを終え、連休はレンダリング合間に自転車で近所を散歩し、戻って確認の繰り返し。こんな休日!?の過ごし方が心地良い。はずが………
 先日の深夜、朝一で提出予定のパースのレンダリング中に突然の停電。全ての電気が使えないので、iPhoneの無料アプリ「myLite」の画面を明かりにし、ブレーカーを見に行くとどこも落ちていない。何だろうと考えていると、外がざわざわして来た。結果は何と電気工事のための停電とのこと。それも朝方まで!!
“まじ?ありえな〜い”と言いそうになったが、確か停電の張り紙があったような………。MacBookのバッテリー残量も僅かだったので、あきらめて(YouTubeを見ながら)寝ることにした。早朝起き、すぐレンダリングしてセーフ!

 さて、12月初めに「A&A Festa’08 」というイベントが東京と大阪で開催される。「想いをかたちに」というテーマで、VectorWorks関連書籍の筆者3名で行われるパネルディスカッションに参加することになった。
 大学の建築学部でCADを教えておられる先生方との打合せでは、個々の実務での経験や日々行っている研究、各学校でのCAD教育の現状と今後の課題などいろいろな意見があり、大いに盛り上がった。よって予定の1時間では到底足りないので、当日は司会の方の進行に任そうということで、打合せ終了〜。
 その中で昨今良く耳にする「BIM」という言葉を、どのように解釈するのかということで、とても活発な意見交換があった。
「BIM」とは「Billding Information Modering」を略した言葉で、主に3次元設計を表すものだが、手元にある建築雑誌を読むと「建物の形状と空間の関係、地理情報、数量、建物要素建設工程および施設管理を含む、建物のライフサイクル全体を表現する」言葉として、近年は認識されているようだ。
 このことからも「BIM」は大規模なプロジェクトでこそ活きるもので、ごく一般のCADユーザーや建築以外のCADユーザーにとっては、あまり関わる事のないものと思われることも多いようである。事実私もそうだった。
 だが、先日の打合せで「以前からCADの三次元機能を用いた設計を取り入れている我々が、ごく普通に行っていることもBIMの一つじゃないか」という意見があり、次第に何か雲の上の話というようなことではないと感じ、少しホッとしたのであった。

 考えてみれば、私がCADを使うようになった理由は、やはり3Dの機能があったからだ。CADを使う前はイラストレータで図面やパースを書いていた。よって2DのCADから次第に3Dへと移っていったのではなく、3Dが使えるからこそのCADであり、実務の中で2Dの図面のみでは伝えにくい形状や情報を3Dで確認し、クライアントや施工者に分かりやすく伝え、結果意思の伝達がスムーズになるということが、CADを使う目的であった。そのことは今も全く変わらない。
 今回の大規模な建築のモデリングもかなりの部分を3Dで作り込んだ。また進行中のディスプレイの仕事でも、「このスペースにサイズ及び形状の違う商品をどの程度展示可能か」ということで、商品の大まかな形状を3Dのモデリングで行い、3Dの什器上に設置しながらデザインを進めた。この結果、アニメーションも含め、多方面からのシミュレーションを行うことで、また多くのことが想定されたのである。まさにこれも「BIM」の一部なのだ。

 そう考えると、先程の「建物の形状と空間の関係、地理情報、数量、建物要素建設工程および施設管理を含む、建物のライフサイクル全体を表現する」BIMを要約すると「こんなカタチの建物を、この敷地に建てるには、どのくらいの予算と日数が必要で、それによりどんな構造が適し、結果何年くらいもつのか」ということ?その一部にCADの3Dモデリングを活用する。これってたぶん多くの方が、ごく普通にやっていることじゃないのかなあ〜。
 この続きは「想いをかたちに」で!