フォトブック
2008.02.15
アジャジャーにしてパー……略してアジャパー!?と言うのも、久々にデータを全破損してしまったから。
バックアップはしていたが、完成したデータが破損していたのに気付かずに、全て上書きしてしまったのだからもう戻らない。MacOS X Leopardのバックアップ機能“ Time Machine ”を使っていれば大丈夫なのに〜と悔やんでも後の祭り。早朝起きて作り直すハメに……
修了プレゼンまで残り2週間余りの学校では、修了制作に必死の皆の姿が微笑ましく、また頼もしくもある。だが、普段から“年中保存!”と言っているその張本人がデータを破損しているようだから、今イチ説得に欠けるけれど、皆には最後まで“年中別名で保存”と言い続けることにしよう。
修了のプレゼンテーションは見やすさを優先し、B2出力+ボードでの発表だが、就職活動用のポートフォリオはB2のボードを単に縮小したものではなく、全体のレイアウトを見直して( 特に文字の大きさに注意して)、一冊のカタログのようにしっかりと綴じたものにしよう。出力紙を自分で面付するのも経験として良い。とにかくポートフォリオ自体も作品なので、美しくデザインされていれば、印象もアップするのはごく当たり前のこと。
じゃあ見本は?と言う訳で、自ら作成したものが右の写真。ハードカバー付きで計40ページの作品集である。これはアップルのプリントサービスの“フォトブック”で制作したものである。全体的に控えめな発色だが、自然な雰囲気の印刷であり、かえって低解像度の画像の粗が目立たない。ハードカバーにはタイトルが箔押で印刷されており、製本の良さにはびっくりした。
制作方法は実に簡単で、MacOS Xに付属のiPhotoでブックをクリックすると、本のサイズやレイアウトを選ぶことができ、選んだ写真や画像をドラックするだけ。データはWEBから送信→ワン・クリックで注文確定→10日程で到着という手軽さ!
届いた“フォトブック”を見ていると、ポートフォリオだけでなく、自分のデザインした家具のカタログなども作りたくなる楽しさだ。
初回はiPhotoで作ったが、完全に自由なレイアウトで写真の質にもとことんこだわりたい!と欲が出てきた。よって、先日発売されたばかりのアップルの画像ソフト “Aperture 2.0”を購入。こちらを使えば、より自由なレイアウトのフォトブックが制作できるので、試してみると、デジタル写真の補正に特化したこのソフトの実力に驚愕!長年 Photoshopのみだった画像補正に新たな楽しみが増えた。
さっそくAperture(アパチャー)で作成した“フォトブック”を注文。見本として出したプリントを見ながら、“早く来ないかなあ〜”と思っていたら、思いっきり誤字があるではないか!またもやアジャジャーにしてパー。
という訳で、“アパチャーでアジャパー”を連呼する今日この頃でした。
スペース・クチュール
2008.02.07
昔、凍った路面で“すってんころり〜、痛たたあ……”尾てい骨を骨折したトラウマがあるので、朝はペンギンのように、小幅でのんびり駅まで歩く今日この頃。
そして先日の雪の日、朝起きてすぐTVを付けたのだが何も映らない。我が家の衛星放送は、天候不順にめっぽう弱い。この地区はケーブルTVにしないとダメかも。
衛星放送ついでに言えば、H - IIAロケットにて打ち上げられた月周回衛星の「かぐや」から送られてくる月面や地球の映像は、とても美しい。NASAの発表では、2024年までに有人月面基地を建設するとのことだから、どのような建造物ができるのだろうかと、想像するのもおもしろい。
最近ある航空会社が宇宙旅行の募集をしたりで、生きているうちに実現可能な雰囲気もあるが、気軽な宇宙旅行時代に合う服のデザインとはどのようなものなのか?
以前「スペース・クチュール」と題したファッションショーを企画した、デザイナーの松居エリ氏のアイデアとその活動は、実に興味深いものがある。
約10年前の「非ユークリッド幾何学的な・・・理論物理学へのオマージュ、二次元の布から三次元の体へ」というショーが転機になったという松居エリ氏の服作りには、トポロジカルな造形やフラクタルな数理パターンが多く見られる。これらは単純に医学や物理学などの他分野からの引用やコラボレーションで、一時的に生まれたというものではない。それは、2002年に開催された「メタファーとしての医学 芸術と医学展」で多くの人に先駆者として認知され、デザイナーとして服という人間の第二の皮膚を作る上で必然的に出た解答が、これらの美しいカタチなのであろう。
“フィボナッチ数列を使うと、かなり装飾があってもお客様は「シンプル」という表現をされる。できたものが複雑でもシンプルな方程式が貫いていれば、脳は美しさを見いだす。女性はその法則性を一瞬のうちに感じ取っている”と氏は言う。う〜ん、女性は凄い。
無重力の空間で生地がどういう動きをするか、人間がどう動くかを考えた「スペース・クチュール」も新鮮だが、もし自分が女性だったら、エリ松居の「シンプル」で美しいウェディングドレスを着たいと思ってしまう。
そんな叶わぬ夢?よりも、月旅行の夢の方が現実的と言う訳で、「かぐや 月ギャラリー in 丸の内」に行き美しい写真で心を癒したいと思う。
衝撃の出会い
2008.01.26
朝起きたら、外は “雪やこんこ〜♪”の水曜日。(最近まで“雪やこんこん〜♪”だと思っていたのだが……)
とにかく会社へ行き、さっと3Dスケッチ。どちらかと言うと喜んで“庭駆け回る♪”方なので、雪の降る中、六本木へ。「VectorWorks2008」の発表会へ向った。
六本木ヒルズ49Fの“アカデミーヒルズ”には、2年ぶりの訪問。デザイナーの内田繁氏とロス・ラブグローブ氏の対談を聞きに行った以来のことであった。
少し遅れての会場入り。既に多くの人で席が埋まっており、最後列の席に座り「VectorWorks2008」のデモを真剣に聞く。今までのバージョンアップとは別物の進化という印象を受けた。是非とも最新のMacOS X Leopardの環境で使用してみたい。
学生や知り合いから“どの3Dソフトが良いか?”と聞かれることがある。まずは自分の使っている3Dソフトを数種類挙げ、次に今後使ってみたいと思うソフトも挙げると軽く20種類以上にもなる。つくづくこんなにあるんだな。
“で、一体どれがいいの?”という感じで、皆固まったところで“まずは心中するつもりで1つに決める。だがそのうち色々なものに手を出したくなり、試しては挫折し、また元に戻り、そのうちまた挑戦、挫折の繰り返しの中で、徐々に慣れて来る”と答える。何だか答えになっていないが……
特に学生にはデモ版などを活用し、いろいろなソフトを試して欲しいと思う。立体を作るには多くのアプローチがあることに気付くからだ。それは今使っているものにも適用できるものが多いので、ソフトを自分で調べ、試し続ける中で、モデリングのスキルは必ず向上する。この経験は
後になって自分のデザインに影響を与えることだろう。
先日TVで、マリナーズのイチローと脳科学者、茂木健一郎氏との対談を見たが、イチローがずっと使い続けているバットとの出会いは、持った瞬間に“ これだ !”と思ったものだったらしい。これで打てなければ自分が悪いと。天才がここまで言うのだから、まさに道具は体の延長であり、直感やフィーリングはとても大事なのだ。
今週はあるプロダクトのデザインに没頭したが、粘土をこねるような自由さと正確な数値入力を同時に扱えないかなあ〜とブツブツ言いながら、やっとのことで完成!
昨年は2つの新しい3Dソフトを購入した。1つはまだ勉強途中だが、もう一つは既に手放せないものになった。右の画像はそのソフトでのレンダリングである。
イチローの選んだバットのような衝撃の出会い………な〜んて凡人では無理だから、道具との衝撃の出会いの旅は永遠に続く………だから面白い!