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Designer's Blog  2009

What a wonderful “Design” world!

よちよち歩き
2009.2.24

mang5.jpg いきなり暖かくなったり寒くなったりで、風邪なのか花粉症なのか、いまいちはっきりしない今日この頃。

 はっきりしていることと言えば、マングローブチェアが、よちよちながらも歩き出したことだ。プロトタイプの制作を開始してから約2年程経ったいま、受注での生産体制が整いつつある。

 まずは3/3からビックサイトで行われる展示会「JAPAN SHOP」に、スウェードグリーンのマングローブチェアが展示される。これは昨年9月に開催された100% Design Londonに展示したものだ。ガーデニングの盛んなロンドンでは、植物の枝やツルを思わせる造形やグリーンのカラーが好印象だったようで、多くの方々が足を止め、直接感想を聞けたことはとても励みになった。

 そして先日、マングローブチェアの制作方法を記載した書籍「VW Designs」の英語版が完成し、使用したCAD「VectorWorks」のドイツ語版のウェブサイトにも紹介されている。カタログの表紙を飾ったシェルのデザインも「VW Designs」に記載したものであり、海外からのアクセスが次第に増えている。これら問い合わせへの対応には、インターネットサイト「excite」の翻訳機能の世話になっているが、今のところどうにか通じているようだ。

 ここまでの経過をふと思い出してみると、ちょうど2年前に書籍執筆の話があり、紆余曲折はあったものの、同年11月に「VW Designs」が出版され、同時期に「東京デザイナーズウィーク」への出展、授賞がきっかけとなり、昨年9月にロンドンへ招待展示され、先日英語版の「VW Designs」に至った。これらの反響が今になって少し表れて来たということだろう。別の場所で湧き出た水が、偶然にも同じ方向へ向かい、合流して細い川の流れになりつつある。まさに「点」が「線」になったという感じだ。

 ここ数年、デザインイベントや展示会に参加し、実物を展示する機会を増やしている。今や多くのデザインサイトがあり、実際にウェブでの反響もあると思うが、やはり実物を前にしての反応は何よりも大きいものがある。

 3月のJAPAN SHOPでは、塗装をお願いしたカドワキコーティングブースに、スウェードグリーンのマングローブチェアが展示される。4月にはミラノサローネへグループで参加する予定だ。
そして5月には、ニューヨークで行われる家具の展示会「ICFF」への参加が決定している。ここでは昨年12月にパリで行われた「感性ジャパン」という、独創的な日本のデザインを紹介するイベントの巡回展があり、この展示を中心にした会場内に、1小間(3m×3m)の小さなブースだが、新作を含めて今までの作品=「よちよち歩きのモノ」たちを展示することとなった。個人ブースでの展示ということで、現在全体の展示イメージを考えている。すると次第に欲が出て、もう一つ何か置きたいなあ………悩みながらもとにかく楽しい作業だ。

 現在は日々情報が錯綜している状態だが、このような時にこそ、いま自分にできること、やることがあると感じている。そういう意味で今はとても大事な時期。こんな時期だからこそ「よちよち歩きのモノ」たちを大切に育てて行きたいと思っている。