Deep Japan!
2009.9.30
いまは亡き、大橋晃朗の家具の世界への憧れが日に日に増している今日この頃。
先日の大阪では非常に有意義な時間を過ごすことができた。三日間の展示会は老若男女を問わず、多くの来場があり、あっという間に時間が過ぎて行った。
今回はデザイナー小間に出展ということで友人(職人兼デザイナー)と隣同士。新作は彼に制作をお願いしたので、間にある間仕切り壁を取払い、2コマのブースとして出展を行った。よって通路側への開口が広くとれ、角小間ということも幸いし、ブース内に入りやすい雰囲気を作る事ができた。装飾はニューヨークと同じくバック壁面にターポリン(垂れ幕)を吊り下げたのみだが、今回はEIZOのFORIS.TVの20インチを設置し、作品のDVD映像を流した。
終日ブースに立ち、訪れた方々の反応を見るのは実に面白い。一人一人感想を聞くと、趣味や興味、そして好き嫌いという感情の幅が実に広いことが分かる。これは作り手として最も学ぶべきことだと感じている。年齢や男女、体格の違いなどで定型化された知識とはまた違う反応があると、つい嬉しくなる。
このような展示会で多くの方の声を直接聞くことで、自分に足りないものが明らかになって来る。実際は足りないものだらけで打ちのめされるのだが、また違う意見に励まされ、一瞬ホッとしたりする。この繰り返しが数日間続くのだから、展示会というのは心身共にかなり疲労する。自分の作品に近づき、じっと立ち止まっている方を見ると、本当にドキドキするものだ。中には厳しい意見を頂くこともあるが、それも貴重なアドバイスだと思い、しっかりと耳を傾けている。販売や流通関係の方、インテリアコーディネーターの方々からはトレンドや価格面などでいろいろな話を聞かせて頂き、またデザイナーの方や製造側の方々からは、フォルムや加工方法などに関してつい長話をしてしまうことも多く、これらのアドバイスもとても励みとなっている。
普段のモノ作りの仕事では、関わる方々との打ち合わせの中で、お互いのイメージを共有しながら、一丸となってプロジェクトの完成へと向かっていくことができる。しかし自分の個人的な作品の制作に関しては、職人さんとの一対一の(格闘の)モノ作りであり、作っては修正の繰り返しで、日々成長するモノである。よって完成途中の成長過程を展示することで、今後の成長に役立つご意見を聞く事ができ、また気づかさせてくれるのが、このような展示会の醍醐味だ。
以上簡単な大阪の感想であったが、夜は大阪在住の友人や展示会で知り合った佐賀の家具職人さん、CAD関係の知り合いなどと合流し、乾いた喉を潤しながら深夜までいろいろと情報交換。今まで知らなかった大阪のDeepな街に感激し、連日の疲労を癒すことができた。
さて、10月末から恒例の東京デザイナーズウィークが始まる。さっそく大阪でのアドバイスを取り入れたモノを作り、展示を行う予定。今回は100% Design Tokyoのデザイナーブースに出展なので、展示の装飾も考えないといけないし、未完成の新作も完成させないと……うゎ〜、やばいなあ。
これからは、未完成なモノを「成長過程」などと言い訳しないように頑張ります!