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Designer's Blog  2009

What a wonderful “Design” world!

MIlano Salone
2009.5.08

salone3.jpg 10日間も休んでいたので、このゴールデンウィークに挽回!と一人会社へ出て、休んだ分の埋め合わせをした(ふりをしている?)今日この頃。

 ミラノ中央駅前で男2人、大きな荷物を押しながらタクシー待っていると、ことごとく乗車拒否される。それを横目で見ていた白タクの運転手が、通常の4倍の値段で吹っかけて来るがここはじっと辛抱。
 試しに駅の反対側の比較的空いている乗り場に移動し、再度待てども乗車拒否は変わらず、約1時間が過ぎた。集合時間には間に合いそうもない。さあ困った!
「レンタカー?それとも階段覚悟で地下鉄で行くしかないか?」と半ば諦めかけていると、先程乗車拒否したタクシーが戻って来て「まだいたの?しょうがないなあ〜」という感じで、笑いながら荷物を積んでくれた。まさに天使のような運転手さんに感謝!

 サローネ会場のある地下鉄駅近くの搬入口で他のメンバーと合流し、会場へ入る。メイン通路両脇に計24のホールがあるサローネの会場はとにかく縦に長い。各自大きな荷物を押しながら30分程歩き、一番奥のサテリテ会場に辿り着くまでの間に、今まで体験した事のない大きなイベントであることを実感した。
 そして日本から木箱輸送した作品も無事届き、2日間で展示のセッティングを行い、特に問題なく終了!と思いきや、日本から持ち込んだ機器のトラブルが発生。そこでミラノ在住10年、現地設計事務所勤務の友人に電話で聞いてみると、こちらではすぐ手に入りそうもないとのことで、とりあえず家にあるものを貸してくれるとのこと。ここにも天使がいた!

 これだけ大規模なミラノサローネだから、各展示を全て見るとしたら、少なくとも2〜3日はかかるはず。街中にあるショールームなどの企画展示を含めれば、やはり4〜5日は必要になるだろう。とにかく短時間では体力だけでなく、頭の中も“お腹いっぱい”となってしまうので、余裕を持って見ないと辛い。しかし今回は他に予定もあるので、会場での見学は1日のみ。長旅と連日の作業で疲れていたせいか、脚が棒になりながら(途中パスタをたくさんお腹に詰めて体力を復活させながら)、モダン系の家具メーカーが集まるホールを中心に見て歩いた。

 著名デザイナーを起用するメーカーの巨大なブースの群れは、サローネならではのものだろう。
以前は1メーカーに1デザイナーというかたちで、各メーカーの個性が強く感じられたが、現在は多数のデザイナーに依頼し、新作を同時に発表するメーカーも多くなった。よって売れっ子デザイナーは、複数のメーカーから複数の新作を出す事になる。そういう意味でサローネはスターデザイナー達の競演の場でもある。
 サローネ期間中の新聞にも大きく紹介されていた吉岡徳仁氏などはその代表格で、照明器具も含め、多くの作品が展示されていた。パトリシア・ウルキオラもしかり。また数年前にデザイナー廃業を宣言したフィリップ・スタルクや巨匠アントニオ・チッテリオの新作も多数あり、まだまだ健在と言った感じだ。

 若手の発表の場であるサテリテは100を超えるブースがあり、学生の作品から実績のある若手デザイナーの作品まで幅広い展示があり、その見せ方も千差万別でとても参考になった。またデザイナー同士の交流もあり、個人的には他の場所で出会った方々と、ミラノで再会できたことも嬉しかった。展示を行ったshimashimaの作品もオープン直後、さっそく海外のデザインサイトで紹介されていたようだ。

 今回は展示の協力というかたちで訪れたサローネだったが、客観的に見ることができ、またそのことによっていろいろと考える部分も多く、刺激も含めて実に収穫の多い経験となった。その余韻に浸りながらも、旅はまだ続くのであった………