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Designer's Blog  2009

What a wonderful “Design” world!

Stand by me

2009.12.15

1212.jpg “年末年始はのんびり新たなソフトの練習でもしよう”と思っていたら、急な依頼があり、納期は年明け早々との事。新たなソフトはぶっつけ本番で使うのが最も良い練習になると自分自身に言い聞かせているが………これはかなり手強いなあ。

 映画「AVATAR」を観た。それももう2回。この調子では新年早々3回観ることになりそうだ。そのぐらいこの映画の映像は素晴らしい。CGを使う使わないという論議は不要だということが誰にでも分かる程、自然な映像である。
3Dメガネの掛け心地はいまいちだが、迫力ある映像に次第に引き込まれ、途中からメガネの存在も忘れてしまう程だ。


 このサイトの訪問状況を調べてみると、先月は約50%が海外からのアクセスで、個人のウェブサイト上で自分の作品が紹介されていることに気付いたりもする。展示会後、海外のデザインサイトに取り上げられると一気にアクセスが増えるのが分かる。このような日本語のみのブログでも、ネットの翻訳機能を使って、自分と同じように文章を読んでいる人がいるんだなあ〜。頑張れネット翻訳!

 そして来年の流行色=カラートレンドを発信しているイギリスの出版社のウェブサイトで、マングローブチェアの写真が使われているのを見つけた。Colour Futuresというとても美しいサイトで、カラー別にセレクトされた写真の中のグリーンのページ内に使われていた。この出版社から写真送付依頼があったのは昨年の事。それが来年版のColour Futuresに使われたということで納得。

 先日、一冊の書籍が送られて来た。それはイタリアのデザイン誌「DDN」であった。
この情報誌はインテリアを中心としたクオリティの高いデザイン誌で、中を開くと9月に大阪で開催され、出展したLiving&Design展関連の特集記事が20ページを超えて紹介されており、このこと自体にとても驚いた。国内のジャーナリズムではあまり取り上げられなかった初開催のデザイン展だったが、(デザイン誌AXISで数ページ紹介されていた程度だが……)日伊のビッグネームの講演内容も丁寧に紹介されており、非常に読み応えのある内容であった。そしてその中にもグリーンのマングローブチェアの写真が紹介されていた。ウェブでの紹介が多い中で、このように印刷物として紹介されるのはとても嬉しい。

 風邪の具合も良くなり(病み上がりで)、新橋のアトムオープンギャラリーで行われていた江口勲さんの新作発表会を訪れた。星亀椅子工房の制作した美しい木の椅子が並ぶ空間の中で、デザイナーの江口さんと星亀の星野さん自ら、デザインの意図や木の特性、加工方法などを説明して頂き、とても勉強になった。デザイナーと職人技の融合した作品の数々に目が釘付けとなり、開催時間を過ぎても居座ってしまう程、とても印象に残る出会いとなった。

 普段の仕事の中で、木はとてもなじみのある素材だが、どちらかというと構造材や什器の下地材としての使用が多く、無垢材や集積材等を使ったオール木の椅子のデザインをしたことは無かった。
しかし今回の刺激的な出会いの中で、是非とも木の椅子のデザインに挑戦してみたい思っている。

 さて今年も残り僅かだが、今年を総括する上で大きな出来事があった。マングローブチェアが海を渡り、彼の地へ旅立った。期待と不安が交差する旅は、まさに“stand by me”.

No, I won't be afraid
Oh, I won't be afraid
Just as long as you stand
stand by me,

 これまでの紆余曲折を思い出すと同時に、新たな挑戦に身が引き締まる思いである。
今年のクリスマスは、ニューヨークのギャラリーのウィンドウ越しにディスプレイされたマングローブチェアの姿を想像しながら、静かに過ごしたいと思っている。