Photo Studio
2009.12.02
TVで放映中の深夜食堂を見て、バターライスが食べたくなる今日この頃。
ミッドタウンのデザインハブで行われている“Prottype展”を訪れ、とても刺激を受けた。
量産過程で魂を失うモノが多い中、試行錯誤を重ねる過程で生まれた試作品の数々を見ていると、デザイナー達の作品への想いが伝わってくる。10月末〜11月初めまで行われたデザインウィークの後に開催された展示会だが、現在も多くの人々が来場されており、会期を延長して行われているというのも頷ける。
“Prottype展”は12/13まで行われているとの事で、近くの21_21 Design sightで行われている、デザイナーの深澤直人氏+写真家の藤井保氏の企画展と共に、お勧めの展示会である。
そして今、来年へ向けての準備を行っている。家具をデザインしていると、その作品を置く環境までをデザインしたくなるもの。アウトドアで使えるものは近くの河川敷に行き、自ら撮影を行うことがあるが、室内で使うものは、やはり室内で撮りたいと思い、撮影スタジオを設計している。
スタジオの設計に際し、プロカメラマンの撮影したデザイナーの作品集を見たり、ライティングの本を開き、基本的な撮影の方法や機材を調べている。その意味でも深澤直人氏+藤井保氏の企画展はとても参考になった。そして機材を調べている中で、プロが使う3000万画素を超える業務用のハイエンドデジタルカメラが目に止まり、メーカーのサイトからダウンロードしたカタログをじっと見つめている。
創業60年のスイス製のカメラは、建築写真専用のモデルもあり、撮影用途に合わせてアクセサリーを組ん込んでいくモジュール式の構成により、全てのアクセサリーを組み込むと1千万円を超えるものになるようだ。ボディサイズも非常に大きく、この圧倒的な存在感はスタジオの雰囲気を引き締め、緊張感の漂う空間を作るだろう。デザインは旧来のフィルムカメラの雰囲気を残した機械的な美しさがあり、とても印象に残るカメラである。
夜な夜な一人集中し、このカメラを眺めること数時間、ほぼ全てのモジュールを組み込むことができた。いま目の前にあるこのカメラを、いろいろな方向から見ていると、部品一つ一つの造形にも機能が集約しているのが何となく分かる。
“いや〜うれしいなあ。しかし意外に軽いな。CADの3Dデーターは…………”
カタログを見ながら、CADでモデリングした3Dのカメラをぐるぐる回して眺めているのであった。
撮影用のスタジオの空間も、CGの中に作ったスタジオである。
その後3Dスタジオの中に入り、作品の配置を何度も検討し、ライトシミュレーターで照明のセッティングを行い、ついにデジタルスタジオが完成。時計の針は深夜3時をまわっていた。
こんないいスタジオができたのだから、今までの作品も撮影し直し、また撮影のためにたくさんのProttypeを制作しよう!しかし何だか小腹が空いたなあ〜。
バターライスでも食べようっと。(レシピはこちら)
深夜撮影しながら、深夜食堂に駆け込む師走になりそうだなあ………