紙の魅力
2009.3.19
くしゃみが止まらない中、熊のようなもじゃもじゃの秋田犬「わさお」の写真を見て、あまりのかわいさに癒される今日この頃。
新作のシェルフがついに完成した。制作途中に何度か工場で確認をしたが、塗装され、美しく仕上がった作品を目の前にすると喜びも一入で、制作を行った職人さんとがっちり握手!!この感動があるから、モノ作りはやめられない止まらない〜♪楕円にカットしたアクリルの棚板もピタリと収まった。
そして新色(マットなピンク)のマングローブチェアもイメージ通り、紙で作ったような美しいつや消しの色に仕上がった。まさにルイス・バラガンの壁のような、ブーゲンビリアの花のようなピンクと従来のマットなグリーンとの相性もバッチリ!とても元気の出る色の組み合せということで、5月のニューヨークでの展示が本当に楽しみである。
先日TVで折り紙の天才の実演を見て、そのあまりの凄さに感動した。どんな造形も一目見ただけで折り紙で作ってしまう。番組では子供達のリクエストに応え、いろいろな動物を巨大な一枚の紙(ほとんどが正方形)を折って、原寸サイズで作ってしまった。天才は頭の中で動物の形状をイメージし、一瞬で展開図にできるようで、この能力はまさに超人的だった。実際にこの方が制作した折り紙で、龍のウロコまで一枚の紙でリアルに表現したものがあり、¥100万の値段が付いたというのも納得。ちなみに折り紙には破れにくい和紙が合うという。とにかく切ったり貼ったりせずに全て1枚の紙からできているということが驚異的だ。
紙を使った工作は、デザインのモックアップの作成においても一般的であり、精密なものは「ペーパーエンジニアリング」と呼ばれている。飛び出す絵本や紙でできた動くおもちゃなどにも多くの作家さんがいて、その中でまたびっくりしたものがこの歯車の立方体。作者の方は他に歯車のハートやエッシャーの2次元タイルを3次元にしたような作品もあり、精密な設計のものが多い。これらスーパーなペーパーエンジニアの方々の作品からも刺激を受けた。
マングローブチェアの造形も紙を使っていろいろと試した中で生まれた。いま使っているソフトの中に3Dデータを2Dに展開可能なものもあり、マングローブチェアの展開図の作成に挑戦してみたが、表裏が一体となった継ぎ目のない造形からか、上手くできなかった。よって最初に作ったプロトタイプに紙を貼り、端を鉛筆でトレースしながら展開図を作成し、その線をスキャンしてCADで再度トレースし、データ化したことを思い出す。
以上紙の可能性を再認識したが、そう言えば、以前青山ブックセンターのバーゲンで買ったガウディのサグラダ・ファミリアのペーパーモデルに全く手を付けていない。あの複雑なカタチを紙で作るのを楽しみにしていたのにすっかり忘れていた。桜の季節に「さくらだ!ファミリア!?」………などとくだらない事を言っていないで、さっさと作ろう。ミラノへ行くまでに!